高齢者の見守りサービスとは 選ぶポイントや代表的なタイプを解説
- 2022.06.27
- 予後・リハビリ・介護
- ウェルネスの空 編集部
少子高齢化がますます進む昨今において、注目を集めているのが高齢者の見守りサービスです。需要の高まりに伴いさまざまなサービスが登場していますが、それゆえにどれを選べばよいのかと悩むケースも少なくありません。本記事では、高齢者見守りサービスの概要や代表的なタイプ、選ぶ際のポイントについて解説します。
高齢者見守りサービスとは
高齢者見守りサービスとは、高齢者の安否確認や緊急時の対応を任せられるサービスです。さまざまなサービスが登場しており、アプリで居場所を特定できるものや自宅に設置したカメラで安否を確認できるもの、緊急時の通報を受けて担当者が駆けつけ対応するものなどがあります。
ほとんど手間をかけず、高齢者の安否確認や安全確保を行えるのがメリットです。たとえば、高齢の家族が遠方で暮らしている場合でも、サービスを利用することでご自身に代わって見守ってもらえるため安心です。また、適度な距離感を保った安否確認ができるため、双方ともにストレスを感じにくいのもメリットといえるでしょう。
高齢者の見守りに関する心配
高齢者に関する心配事として、一緒にいないときの怪我や病気が挙げられます。常に一緒にいれば、怪我や体調不良で動けなくなったときも対処できますが、フルタイムで働いているようなケースでは困難です。高齢の両親が自宅で倒れ、連絡もできないとなると最悪の事態も考えられます。
また、高齢の両親と離れて暮らしており、気軽に行って安否確認できないことで不安となるといった声も少なくありません。近くに住んでいるのなら、適度な頻度で安否確認ができ、何かあったときも駆けつけられますが、物理的な距離が遠いとなかなか簡単に出向くことができないでしょう。
見守りサービスを選ぶ5つのポイント
センサーを搭載した家電で安否確認できるものや、ペンダント型の緊急通報ボタンを用いるもの、アプリで位置確認できるものなど見守りサービスの種類は多様化しています。サービスを選ぶ際には、以下のポイントをしっかりと検討して導入することが望ましいでしょう。
親の意向を尊重する
高齢者見守りサービスの導入にあたっては、親の意向を尊重することが大切です。人によっては、高齢者・老人扱いされることを不快に感じたり、監視されている気分になったりといったことが考えられます。
大切な両親に何かあったら、と心配になる気持ちは理解できますが、まずはきちんと話し合いをしましょう。嫌がっているのに無理に導入してしまうと、家族の絆に亀裂が生じるかもしれません。きちんと話し合い、サービスの内容を伝えて納得してもらったうえで導入を検討しましょう。
状況や目的に合わせて選ぶ
見守りサービスを選ぶときは、状況や目的に合わせて選びましょう。カメラを通した24時間体制での見守りが望ましいケースもあれば、週に1回程度の安否確認で十分な状況もあります。また、通知のみでよいケースもあれば、駆けつけ対応をしてもらいたい人もいるでしょう。
手軽に導入できるものから、お試し感覚で始めてみるのもおすすめです。見守りサービスを利用し、様子を見つつ状況の変化に応じてサービスの変更、拡充を検討するとよいでしょう。
費用に応じて選ぶ
見守りサービスの種類によって必要な費用は大きく変わります。また、高齢者見守りサービスは介護保険の対象外であり全額自己負担となるため、選定時にはどの程度の費用が発生するのかをきちんと確認しなくてはなりません。
状況や目的にマッチしたサービスの利用が基本ですが、サービスを長期的に利用するとなればランニングコストが家計を圧迫するかもしれません。もちろん内容も大切ですが、長期利用を考えるのなら無理なく支払いを続けられるサービスを選ぶべきでしょう。
操作が簡単なものを選ぶ
利用者による操作が必要なサービスを導入するのなら、高齢者でも問題なく操作できる簡単なものを選びましょう。サービスによっては、利用者が設定や機器の操作をしなくてはならないこともあり、使いこなせない可能性があります。
機器の操作が必要なら、事前に使い方を丁寧に説明し、分からなくなったときのためにマニュアルを用意しておくのもよいかもしれません。きちんと扱えるか心配なら、利用者による設定や操作が必要のないサービスを選ぶのもひとつの手です。
分からないときには専門家に相談する
どのサービスが適しているのかが分からないときは、介護や福祉の専門家に相談するとアドバイスをしてもらえます。たとえば、自治体の介護課や福祉課、地域包括支援センターなどが該当します。
自治体によっては、高齢者見守り相談窓口を開設しているところもあります。相談を受け付けているだけでなく、具体的な解決策の提案や必要なサポートをしてもらえるのが魅力です。
また、見守りサービスを提供している企業の公式Webサイトや専用サイトに、相談フォームや問い合わせフォームが設置されているのなら、そこから相談するのもよいでしょう。
高齢者見守りサービスのタイプ
高齢者見守りサービスのタイプには、警備駆付型やカメラ型、センサー型、訪問型などがあります。それぞれできること・できないことがあり、特徴も異なるためここで把握しておきましょう。
警備駆付型
警備駆付型は、緊急通報用ボタンを押すことで警備員が自宅に駆けつけてくれるサービスです。ホームセキュリティー企業が提供しているサービスが多く、訪問による安否確認や緊急連絡先への連絡などに対応しているほか、医療スタッフへの健康相談が可能なものもあります。
緊急時に自宅へ駆けつけ、必要な対処を行ってくれるため大きな安心感を得られることがメリットです。24時間365日対応のサービスであれば、いつ何があっても安心です。一方、他のサービスに比べ費用が高額であるケースが多いため、慎重に検討したうえで判断する必要があります。
カメラ型
室内に設置したカメラで高齢者を見守るサービスです。段差がある部屋への入口近辺など、気になるところへ設置しておけば、リアルタイムで状況のチェックが可能です。
設置が簡単なカメラも数多く登場しているため、手軽に導入できるのがメリットといえるでしょう。カメラやサービスによっては、コンロの消し忘れや蛇口の閉め忘れなどを警報で知らせてくれるものもあります。一方で、監視されているようで落ち着かない、プライバシーがなくなると感じる方もいるため、高齢者の理解を得て導入することが大切です。
センサー型
自宅にさまざまなセンサーを設置し、生活状況の把握ができるサービスです。人の動きを感知する人感センサーで、通常通りの生活を送れているかチェックしたり、室温センサーで熱中症の危険を察知し知らせたりするサービスがあります。
日常生活の見守りと、異変を事前に察知しやすいことがメリットです。ただ、センサーから取得できる情報は限られており、顔色が悪い、ろれつが回っていないといったことは感知できません。基本的に、自立した生活を送っている高齢者の最小限の見守りや情報収集に特化しているサービスといえるでしょう。
訪問型
訪問型の見守りサービスは、地域の担当者が高齢者の自宅に足を運んで安否確認を行うサービスです。月に1回など定期的な訪問で状況をチェックします。新聞配達員が、ポストに新聞がたまっていないかどうか確認し、居住者に声かけをするといったサービスもあります。
直接訪問するタイプのサービスゆえに安心感は大きいですが、定期的な訪問なので日常的な見守りはできません。同様に、緊急時の対応を依頼したい場合には向いていません。
まとめ
高齢になると病気や怪我のリスクが高まり、いつ何が起きるか分かりません。離れて暮らす高齢家族の安否を確認し、安全を確保するためにも、高齢者の見守りサービスは非常に有効な手段です。さまざまなサービスがあるため、特徴や費用、メリット・デメリットを理解したうえで導入を進めましょう。
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